2012年3月12日の雪

【雪】1・ゆき。2・ゆきーふる。3・すすーぐ。そそーぐ。ア・洗い清める。イ・ぬぐう。ぬぐい清める。ウ・除く。4・白いさまのたとえ。5・きよい。高潔。(新漢語林・第二版)

 

電屋を降りると、雪が激しく舞っていた。そのとき私は、ネットで読んだ記事から想起した思いつきに取りつかれ、ああだこうだといじくり回していた。

傘は持っていなかった。たまの電車通勤なのに運のないことだ。が、作為なく大雨に打たれた人の話を思い出し、それで良いのか、と素直に濡れる気持になった。心が軽くなった。

表は寒く、肌に当たる雪は冷たい。身が固くなった。少し後悔し、諦め、先ほどの思いつきに戻ってやり過ごそう……自分の常態に帰ろう……とした。

しかし心の別の部分が、素直に濡れる方に動いた。その瞬間、思考がスパークした。冷たい空気に霧散し溶けた。雪ぐもの浄化するものとしての雪、その本来の姿を垣間見た気がした。心の些事は消え、冷気に包まれ水滴のついた自分の肉体だけがあった。しばらくして、雪は止んだ。晴れた空が残った。


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