2012 年 4 月

住まう街を一緒に

住宅街をのんびり散歩するのが好きだ。よそのお家や施設に植わっている植物、風化した外壁、ちょっと飾られたオブジェ、置きっぱなしの自転車や子供の乗り物など。そこで生活が営まれているんだなぁという実感が好きで、暮らしのかけらと空気をひとりしみじみ慈しむ、大切に写真に収める。
花を撮っていると、年配の方の目を引くことがある。今日も近所に住むらしい数人の女性が集まって来られ、「いやぁ、こんな所にこんなん咲いてたんやねぇ、これ桜やなぁ」「綺麗やわぁ」「うん、知らんかったわぁ」としきりに愛でておられた。去り際に一寸会釈すると、にっこりと見送って戴いた。以前には同様に話しかけられたこともある。
目を留める人を見て初めて、いつもの風景に紛れ気付かなかった素敵なものを見つける驚きと喜び、それを共有する温かさ。住まう者同士でそれが起こること。いとおしく、ほっくりほぐされるひとときなのである。


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